今年も花粉症飛散の情報が出始めたましたね。（2月上旬に書いています）

この時期から春にかけて顔だったり体だったり痒くなって受診された患者さんに聞かれる質問があります。

「アレルギー（春の花粉）でしょうか？」

この質問は意外と難しいもので本当にケースバイケースです。

診療時の思考過程は医師によって変わると思いますが、院長の場合むかし数学で学んだ「場合分け」が役に立っています。

アレルギー（花粉）である場合

春の花粉アレルギーとしたらおそらく「接触アレルギー」だろう。

だとしたら、下の質問をしてみよう。

• どこが一番痒い場所ですか？（露出部と非露出部に症状の差は？）
• 眼や鼻の粘膜症状はないですか？
• 1年前の春に同様の症状はありませんでしたか？（有ったのなら）何月まで？
• 患者さんの生活や仕事の環境は、花粉に曝されやすい状況ですか？
• 過去にアレルギー検査をしたことがあれば、その結果は？

アレルギー（花粉）ではない場合

前提として春は花粉だけでなく黄砂をはじめとするいろいろな粒子が飛散する時期でもある。

また寒暖差がつきやすくなる時期でもある。

補足のためにさらに質問してみよう。

• 今回のかゆみは、それらによる「刺激症状」である可能性はないでしょうか？
• もともとアトピー性皮膚炎で、湿疹ができやすいお肌ではないですか？
• 生活環境の変化や、新しく使ったスキンケア、飼い始めたペットなど全然別の要因はないですか？

診療の軸になるのはこんなものでしょうか？

実際の診療は、これを軸にしつつ実際の皮疹や記載してもらった問診内容によりアレンジがなされます。

痒いのは「皮膚炎」のことがほとんどですので、治療によって一旦改善させるのは容易なのですが上記の原因しだいで、再発しやすいケースが出てきます。

とくに顔ですと薬の副作用も出やすい部位になるので毎回強いステロイド外用、というわけにもいきません。

当院では可能な範囲で「皮膚炎」の原因探しは行うように指導しています。