「これは○○という病気です」と申し上げると「○○？私は今まで○○になったことなんて無かったのに！」と少し怒り気味に嘆きの声を発せられる患者さんによく遭遇します。

○○に入るのは深刻な病気の場合もありますが、水虫や軽い湿疹など治療すれば治る病気のほうが圧倒的に多いです。病気の軽い・重いに関わらず、病気を自分のこととして受け入れるのは意外と難しいことなのだなと感じます。

セネカというローマの哲学者がこんなことを書いています。

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（中略）多くの人に起ったのをあなたが見ていることが、自分にだけは起らないとでも思っていらしたのですか？芝居の科白ですが、こんな有名な詩句があります。

誰かに起りうることは、誰にでも起りうるのだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ーープブリリウス・シルス

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病気がいつ自分に降りかかるのかは誰にも分かりません。心配し過ぎるのも体に悪いですが、「長い人生、生きていれば多少の不調は何度かある」と思っているぐらいがちょうどよいのではないかと思いながら日々暮らしています。そして皮膚関連でご心配なことがあればお手伝いさせていただきますのでお気軽にご相談下さい。

出典

『ローマの哲人　セネカの言葉』

中野孝次著

岩波書店