院長コラム
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慢性じんましん歴25年の副院長
25年前のことです。
季節は夏の終わり、じめじめした空気が肌にまとわりついて朝から不愉快な天気でした。
当時大学1年の私は友達と箕面の大滝へ遊びに行くことになっていました。渓流沿いを少し歩くと日光が木々に遮られ、薄暗い小道が続いています。道の傍らには深緑の草がもくもくと生い茂り、汗ばみながら歩く私に向かって遠慮なく枝葉を伸ばしているのが目に入ります。その緑の濃さが何となく不気味に感じられて、湿度が一気に高くなったような気がしました。
その時です。
かゆい!
かゆくて、かゆくて、歩けない。
立ち止まりスカートを少しずらして脚を覗きました。
真っ赤な太ももが見えました。
これは何だ。
赤くて、腫れています。燃えているかのような痒みです。
実はここから先の記憶があまりありません。滝を見たのか、引き返したのか。おそらく動転していたのでしょう。ただひとつ言えることは、私が慢性蕁麻疹(じんましん)を発症したのはこれが始まりだったのです。
ここから現在に至るまで慢性蕁麻疹が続いています。薬を飲めば症状は出ません。全く飲まないと復活します。原因ははっきりしませんがストレスや多忙で明らかに悪くなります。
慢性蕁麻疹はこのように明らかな原因が無く、だらだらと続くことが多いです。1〜2年で治る方が多いですが5〜10年の方もよく来られます。ただ25年も続いている方にはあまり出会ったことがありません。
患者さんにご説明する際は、そのうち治りますが「そのうち」がいつなのかは誰にも予言できませんよと申し上げています。私の「そのうち」はいつ来るのでしょう?いつかまた箕面の大滝に行ってみたら、25年前とは違う景色が見えて何かが変わるのかもしれないと考えたりしています。
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