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ニキビ・おでき

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 一般にみられるニキビは「ざ瘡」といって毛穴が詰まることにより発生するトラブルです。思春期の子どもだけでなく、赤ちゃんから大人まで誰にでも起こりうるトラブルです。

 なお、ニキビ(ざ瘡)以外にも似たような症状を呈する疾患がいくつかあります。

ニキビ(ざ瘡)

症状

 ひとくちに「ニキビ」といっても、いくつかの段階があります。

1.ニキビの始まり

 毛穴が詰まりやすい状態をいいます。肉眼ではまるで正常の皮膚に見えるので気づかれないことが多いです。

2.面皰(コメド)

 皮脂が毛穴にたまった状態をいいます。白ニキビ(毛穴が閉じている)と黒ニキビ(毛穴が開いている)があります。

3.赤ニキビ

 面皰(コメド)が炎症を起こすと赤ニキビ(赤いぶつぶつ)になります。

4.膿疱、嚢腫、硬結、血腫

 炎症が進行し、大きく腫れた赤ニキビになったり、皮膚の深い部分に膿や炎症、血などのかたまりがある状態のことをいいます。長年にわたって同じ場所に存在する場合はニキビに似た慢性膿皮症という病気の場合もあります。

5.瘢痕

 俗に言う「あとかた」「にきびあと」です。4の状態まで炎症が進行すると、炎症を治しても凹み(萎縮性瘢痕)や盛り上がり(肥厚性瘢痕・ケロイド)など、肌の凹凸感が残り続けることがあります。

原因

 原因や悪化因子は必ずしも1つとは限りません。

1.体質的な要因

・ホルモンバランス(思春期、生理前など)
・脂性肌(オイリースキン)・・・脂漏性皮膚炎との合併も多いです。

脂漏性皮膚炎の詳細はこちら

・生理不順(酷い場合は婦人科受診もお勧めしています。)
・毛穴が膿みやすい体質

2.環境要因

・ストレス
・睡眠不足
・不規則な生活(夜勤など)
・食生活(動物性脂肪の取り過ぎ、ビタミン不足など)
・高温多湿な環境(日本の梅雨~夏、調理現場の仕事など)
・汗をすぐに流せない環境(学校での体育、外回りの仕事など)

3.ご自身で悪化要因を生み出している場合

・不適切なスキンケア(例:脂性肌の部位にオイルやクリームを塗り過ぎている)
・厚すぎるメイク(ベースメイク、特にリキッドファンデやコンシーラーの厚塗り)
・不適切な洗顔習慣(例:刺激の強い洗顔料を使用することで乾燥肌になり、過剰な保湿を行う)
・皮膚にかかる髪(厚い前髪、フェイスラインに髪がつくヘアスタイル)
・ヘアケア剤(ワックスやオイル、トリートメント剤が皮膚に付着している)
・不適切な塗り薬(ニキビ部にステロイドの塗り薬や保湿効果の高いクリーム・軟膏を塗っている)

4.身に着けるもの

・マスク、フェイスガード
・帽子やサンバイザー(おでこニキビの原因)
・汗を吸わない衣服を肌の上に直接着ている(体幹のニキビの原因)

5.薬剤性

・ステロイドなどニキビができやすい薬を内服中、または内服後の方
・アトピー性皮膚炎などで塗り薬のステロイドを使っている方

治療方法

 ニキビの悪化因子をなるべく取り除くことが大事です。

1.一時的なニキビ

 悪化するたびにそのつど抗生剤の飲み薬や塗り薬で治療します。

 即効性がありますが、あくまで「今できているニキビを治す」治療で、ニキビ予防ではありません。また抗生剤を使いすぎると耐性菌ができる可能性があるため漫然と使い続けることはお勧めしていません。

2.頑固なニキビ

(白ニキビ・黒ニキビがずっとある方、赤ニキビを繰り返す方、跡形になりやすい方)

 ピーリング効果のある塗り薬(保険適応)を毎晩塗り続けることで数か月以上かけて肌質改善していきます。「今できているニキビを治す」だけではなく「ニキビ・ニキビ跡ができないような肌を目指す」治療です。

 根本的に肌質を改善できる良い薬ですが、お肌に合わない方は激しくかぶれる可能性もあるため注意が必要となります。薬が効いてくるとニキビがあまりできなくなり、できたとしても跡形が残りにくくなります。

 ベピオ、ディフェリン(アダパレン)、エピデュオ、デュアックといった薬剤があります。塗る量や範囲についてはお肌の状態によって異なるため診察時に詳しくご説明しています。

3.体幹のにきび

 体幹のニキビの場合、通常のアクネ菌だけでなく、マラセチア(皮膚常在菌の一種であるカビ)が原因となっていることもあります(マラセチア毛包炎)。その場合は抗真菌剤の外用や内服治療を行います。

4.その他補助的な治療

 補助的な治療として、ビタミン剤、漢方なども症状やご希望に応じて処方することができます。

TYPE 01ニキビに似た疾患

せつ、よう

症状

 ニキビ(ざ瘡)と同じ毛包が原因の細菌感染症ですが、毛穴が傷ついたときなどに細菌感染が生じます。通常、鼻やおしりなどによくできますが、最近はMRSAなど耐性菌によるものも増えており、全身どこにでも出る傾向にあります。

原因

 抗菌剤の内服治療を行いますが、ニキビ(ざ瘡)より深い炎症なので痛みが強く、激痛など症状がひどい場合は皮膚の切開などが必要となることもあります。

膿瘍(のうよう)

症状

 皮膚の中や下に膿(うみ)がたまっている状態です。ぶよぶよして熱をもち、赤く腫れて痛くなります。

原因

 原因はいろいろで、「せつ、よう」や「粉瘤」、「化膿性汗腺炎(慢性膿皮症)」などが主にみられる原因です。刺さったままのとげ、埋没毛、動物に咬まれたキズなどが原因になることもあります。

治療方法

 抗菌剤の内服治療を行いますが、それだけで改善は期待できず、皮膚の切開が必要となることがほとんどです。

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