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文学作品に出てくる皮膚疾患 羅生門

文学作品 ニキビ

副院長は本を読むのが好きですが、文学によく出てくる病気といえば結核(肺病)や精神疾患が多く、皮膚疾患にはなかなかお目にかかれません。

そんな中で芥川龍之介「羅生門」の主人公「下人」にはニキビの描写が出てきます。

 

「下人は(中略)右の頬に出来た、大きな面皰(にきび)を気にしながら、ぼんやり、雨のふるのを眺めていた。」

「火の光が、かすかに、その男の右の頬をぬらしている。短い鬚の中に、赤く膿(うみ)を持った面皰(にきび)のある頬である。」

青空文庫より引用

 

赤く膿を持った」「大きな」と書かれていることから、おそらく皮膚科的には「膿疱」と呼ばれるような「おでき」に近いものではないかと推測できます。

放置すると凹みなどの瘢痕が残りそうですね。

もしこの下人が患者さんであれば抗生剤を処方して早めに治したいところです。

 

このニキビは「短い鬚のなかに」あるとも書かれています。男性はひげ剃りの際に毛穴から細菌が入ってニキビになりやすいのです。

髭剃りのたびに繰り返しているようならベピオゲルなどのピーリング剤が必要かもしれません。

皮膚科医が観察すれば他の場所にも小さいコメド(毛穴詰まり)やオイリースキンがありそうな雰囲気です。

 

下人の年齢については記載がありませんが、「またたく間に急な梯子を夜の底へかけ下りた」という俊敏な描写からは10代~20代前半なのではないかと推測されます。

この時代の夜はとてつもなく暗かったはずなので、30代以降なら転落して救急搬送されてもおかしくありません。

それなら診断は思春期にきびでしょう。窃盗をするほど生活が苦しいことから栄養不足や生活の乱れで悪化しておりビタミン剤の内服も必要かもしれません。

 

このようなつまらないことを無限に連想してしまうのが皮膚科医です。

 

保険でニキビ治療ができるようになった現代は豊かな時代です。ただ現代の人には現代を生きる人特有の苦悩があります。豊かな現代に生きる私たちは果たしてこの小説の時代に生きた人たちより幸せになったのか?芥川の作品に触れると実にいろいろなことを考えさせられます。

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当院でのニキビ治療についてはこちらもご覧ください。

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